映画「2046」について
映画「2046」(王家衛、ウォン・カーウァイ監督)は一人の男性作家を主人公にして、1960年代の香港と近未来世界2046(小説上の世界)を舞台として描く作品。その意味では近未来SF映画ともいえるが、いわゆるSF的な要素は薄い。王家衛の前作「花様年華」(2000)で描かれた愛の物語の続作といえるだろう。
昨春、カンヌ映画祭で初めて公開された。その映画賞審査委員長がクエンティン・タランティーノに決定し、このタランティーノが王家衛を高く評価していたことはつとに知られていただけに、中華圏では2046の入賞をほとんど既成事実として語る向きもあった。ところが実際にはフィルム編集の遅れのために記者会見もキャンセルする始末で、結局何の賞も取れなかった。あとはご承知の通り、「誰も知らない」の柳楽優弥の主演男優賞受賞に話題をさらわれてしまった。カンヌまで出かけていった木村拓哉はお気の毒と言うほかない。
それでも前作「花様年華」(2000)以来、四年余りの製作期間を経てようやく公開された作品であり、個人的には待望久しいものであった。ただ、残念ながら2046に限らず、内容的には難解なので、やはり日本でも大ヒットとまでは行かなかったようだ。映画館はどこも閑散とした入りしかなかったようだ。キムタク出演の映画としては相当寂しい部類にはいるのではないだろうか(^^;)
あらすじ(ネタバレが嫌な人は事前にDVDで見ておくこと)
物語の主人公は、安ホテルで生活する作家・周慕雲(梁朝伟)。彼は売文の傍ら夜ごと行きずりの情事を楽しむ生活を繰り返しているが、心には忘れられない女性(前作「花様年華」で張曼玉演ずる女性)への思いがくすぶり続けていた。たまたま隣室2046号室に越してきたダンサーの白玲(章子怡)との交情も結局はそんな胸の奥の思いを誤魔化すためでしかなかった。そんな彼を許すことのできない白玲は未練を残しつつも立ち去るほかなかった。その白玲を冷ややかに見送る慕雲。やはり彼女もまた心を許せる女ではなかった。白玲がいなくなると、作家はホテルのオーナーの娘・静雯(王菲,静雯はフェイウォンの本名)と親しくなる。父親の反対により、日本人青年(木村拓哉)との恋が実らず、静雯はノイローゼ状態だった。その悲恋に心を揺さぶられたチャウは、静雯に原稿書きを手伝わせながら、立ち直れるよう励ます。やっと見せるようになった彼女の笑顔に思わず心に忘れられぬ女性を思い出す。自分の思い、静雯の思いを清算するために彼らをモデルにした近未来小説を書き始める。小説の主人公は、美しいアンドロイドとミステリートレインで旅をする。目指す場所に辿り着けば、失われた愛が見つかる。その場所の名は、2046であった。
取り上げた箇所
【本編】
周慕云・白玲の初めての逢瀬。クリスマスイブの夜、恋人を失って傷心する白玲に周慕雲はことのほか優しかった。その優しさに惹かれつつも反発する白玲。
【インタビュー】
白玲を演ずる章子怡のインタビュー。 率直な語り口に素顔が伺え、なかなか興味深い。
この教材はDVDの音声から書き起こしたもの(北京語音声)に基づくので、著作権への配慮から公開できません。教室での配付資料に基づいてください。
日本版「2046」公式サイトhttp://www.2046.jp/
あらすじなど色々あります。まずはここから。
映画「2046」関連情報(新浪網)http://ent.sina.com.cn/f/2046/index.shtml
中国語で読める関連情報が充実。写真もてんこ盛りです。
王家の肖像http://wkw2004.com/
ウォン・カーウァイのファンサイト。出来たばかりの模様。